プリント基板を注文しよう by OLIMEX

今回はEAGLEという電子回路専用のCADを使ってOLIMEXという会社にプリント基板を注文してみました

OLIMEXとは

OLIMEXとは、ブルガリアにあるプリント基板メーカーです。精度はそこそこ上なのにかなり安いです。また、無料で面付けをしてくれるので、EAGLEで設計した基板(EAGLEでの最大設計可能サイズが80mmx100mm)を、数枚面付けするということもできます。データはガーバではなくEAGLEのドリルデータ(.brdファイル)をそのまま送れるのも便利なところです。

値段

・基板本体
SSS(片面基板 160x100mm):24$(ドリル穴数500まで)
DSS(両面スルーホール基板 160x100mm):$30(ドリル穴数500まで)

ドリル穴数が越えた場合の追加料金:+$3
標準ドリル径以外を使用する場合:径ごと+$1
両面基板の両面シルク印刷:+$5

・送料
Airmail:$8.5(クレジットカードが必要)

下準備

OLIMEXに注文するにはある程度の下準備が必要です。
・デザインルール(10mil.drus)
・ライブラリコンバータ(libconv.ulp)
この二つはe電子工房で無料ダウンロードできます。

作りましょう、、、その前に基板図変換

さあ作ろうといってもやることがあります。基板図(プリント基板上での部品の図。回路図とは違う)の変換です。EAGLEにはデフォルトで基板図付きの回路図がありますが、OLIMEXは精度が低いので精度が低くても大丈夫なよう基板図を変換します。基板図の方を開いてlibconv.ulpで変換していきます。

(今度こそ)作りましょう

回路図を作って基板図を作ります。ここからがポイント。DRCボタンを押して、出てきたウィンドウのLoadでちゃんとドリルデータ(.dru)を読み込んでください。デザインルールチェックが正しく行われません。

チェック

基板図のチェックです。ちゃんとOLIMEXの要求にあってるかを確かめます。DRCボタンを押して出てきたウィンドウ内にあるCheckを押します。エラーがあれば直します。

注文

それでは注文しましょう。まずは、連絡文を書きましょう。
1. Name:注文者の名前 <enter your name>
2. Company:注文者の会社(書かなくてもよい) <enter your company or none>
3. Billing address:注文者の住所 <where invoice to be sent>
4. Shipping address:発送する住所 <where boards to be sent>
5. Shipping option:発送方法(たいていはAirmail) <please check what options are available on our web and pick one>
6. Order:基板の種類と数 <number and types of panels, for instance DSS 1 pce,>
7. Payment option:支払い方法 <Visa, Eurocard, Mastercard, JCB, Western Union, bank transfer - please read our PRICE web page for more info>
8. Notes:面付け情報などその他 <anything you want to tell us,for instance: non standard laminate thickness,additional silkscreens etc important notes for the production>
書いたら作りたい基板の.brdファイル(eagleフォルダの中にある.brd)と一緒にZIP圧縮してファイルは完了。
ZIPを添付したメールを

PCB order,needed files attached.
名前

と書いてOLIMEXに送ります。件名に「Order No,xxxxx」と書いておきます。このxxxxxの5桁の番号は何でもいいようです。
2,3日たつと見積書がメールで届くので、必要事項を記入し、FAXで送ります。これで注文完了。8-14日後プリント基板が届くのと同時にメールで送り状のPDFファイルも来ます。

その他雑記

レイヤー

EAGLEは基板図をレイヤーに分けて制御しています。OLIMEXで使うレイヤーを書いときます。

1 Top:部品面パターン
16 Bottom:半田面パターン
17 Pads:ランド
18 Vias:ビア
20 Dimention:外形線
21 tPlace:部品面シルク
25 tName:部品面の名前
29 tStop:部品面のレジスト禁止領域
30 bStop:半田面のレジスト禁止領域

面付け

OLIMEX無料で基板の面付けをしてくれる。つまり、EAGLEでだいたい制限いっぱい(きりしろぶんがあるので少し小さめ)に基板をつくると二枚でき、小型のモノを数枚面付けすることも可能。面付けする基板は端にすべて10milのきりしろがいる。
面付けする場合は面付けした図をjpgにして(基板図をキャプチャしてペイントかなんかで結合)一緒に圧縮しとく。もちろんbrdファイルは面付けする基板全て必要。連絡文のNotesにどれ(.brd)とどれ(.brd)を面付けして、できたらどんな感じになるか(jpg)を書いとく。何枚必要かも書いとく。

その他注意点

・テキスト
フォントはVectorでサイズ0.07、Rationが14%
・ベタアース
PolygonのWidth欄にパターンと同じ太さをインチで記入
・取り付け穴
Drill欄に0.130と記入。エンターで有効。
・確認
statistic-brd.ulpで確認。ドリルラックは0.7、0.9、1.0、1.1、1.3、1.5、2.1、3.3のみ。それ以外があれば追加料金。
・反転防止文字
Vector、0.07、14%でABC。OLIMEXで使う全てのレイヤーに
・デザインルールのエラー
Clearance:間隔狭すぎ
Dimention:外形線に近い
Drill Distance:穴同士が近い
Drill Size:穴の径が小さい
Layer Abuse:ランドかビアにほかの要素がある
No vector font:Vectorで文字が書かれていない
No real Vector font:EAGLE内蔵のVectorではない
Restrict:配線抑止領域に配線あり
Width:パターン(またはベタアース)が太すぎ
Wire Style:パターンが破線になってる
・無視してよいデザインルールのエラー
外に書いてるABCはどんなエラーでも無視。(フォントのこととかはだめ)
Stop Maskは全て無視
ベタアースのWidth